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海外の「マンガ専門電子書籍ストア」が惨敗した理由

海外の「マンガ専門電子書籍ストア」が惨敗した理由を考えてみましょう。

 

まず「いきなりコミック(単行本)から販売って難しい」です。

 

ご存知の通りコミックは基本的に「週刊誌や月刊誌に連続掲載されている作品がまとめられた本」ということが多いです。雑誌に連載されることにより、ある程度以上の認知度やアンケートなどで人気を判断してコミックの初版発行部数が決まります(違う場合もあります)。

 

このように「連載雑誌→コミック化」という構図があってはじめて売れるのです。

 

ここ最近流行っているマンガの1つと言えば、「進撃の巨人」でしょう。4月からアニメが放映されて一気にブレイクという感じですね!

 

はたして「進撃の巨人」は、どのようにして人気マンガへと進化したのでしょうか?

 

まず「進撃の巨人」のバックボーンは講談社の「別冊マガジン(月刊誌・毎月9日発売)」です。2009年創刊の発行部数6万部のマンガ雑誌です。ここに所属する作者と編集者が「これは絶対に大ヒットする」という作品を作り上げたのです。別冊マガジンの雑誌としての発行部数は決して悪い数字ではありません。仮に返本率30%とした場合、4万2000部が人の手に渡っているという計算になります。その読者達の「進撃の巨人って面白い!」という感想がクチコミ(宣伝広告やWEBなども含む)となって別冊マガジン購読者以外にも広まって行ったのです。

 

週間少年ジャンプ系列では「ワンピース」「ナルト」「トリコ」など単行本やアニメが絶好調です。

 

マンガ雑誌がない海外の電子書籍ストアでは、いきなりコミック販売しているようなものです。少しだけ読めるサンプル(無料本も含む)もありますが、よほどのマニアでもない限り、数万タイトルの中から自分の好みを探し出すのは至難の業です。海外では情報があまりにも少なすぎるのです。

 

「海外の電子書籍ストアは読者に対して販売戦略とサービスが何もない状態だった」

 

これがすべてとは言えませんが、「日本のマンガは売れる」というだけの判断で海外進出してしまった感は否めません。甘すぎです!

 

日本語がわかる海外の人は日本のWEBサイトや動画サイトなどで流行っているマンガやアニメを探すことができますが、そんな人は少数派で一部のマニアだけになってしまいます。マニア以外の一般のマンガファンに訴えかける手段を用いれば、惨敗とまでは行かなかったと思います。

 

しかし現実的な問題としては、印刷もしくは電子のマンガ雑誌を海外で発行するのは難しいでしょう。だからこそ違うアイディアで海外の読者を取り込む必要があります(ここでは言えませんけど:汗)。やり方さえ間違えなければ日本のマンガは海外で必ず売れます!

 

ヒント:日本のゲームって海外でも人気があるじゃないですか!