電子書籍どうでしょう

イマイチ盛り上がりがない日本の電子書籍業界や出版業界に言いたい放題やってます。

個人出版した電子書籍は儲かりますかぁ〜?

電子書籍を利用されたことがない人、電子書籍を出版したことがない人から、こんな質問を頂くことがあります。あまりにもザックリしすぎているので、適当な返答をするしかありません。

「表紙もしっかり作ってKindleで配信すればゼロという事はないと思うけど、儲かっている人の方が圧倒的に少ない」

もちろん憶測なので、無責任な回答しかできません。
電子書籍が売れるかどうかはさまざまな要素が関わってきますが、基本的に「そんなに儲かることはない」と認識しておいたほうが、良いでしょう。


1. 電子書籍のジャンルや内容

電子書籍に関わらずモノがヒットするかどうかは「時代」や「流行」に左右されます。今の世の中に必要とされているモノはヒットする可能性があります。ここ1年ぐらいの流行では「解説本」が出版社や個人出版でたくさん出ているようです。例えばKindle電子書籍を登録する方法や税金に関することなどをわかりやすく解説しています。
しかし出版関連の経験者ならともかく、一般の方が「ヒットを狙って作った本」を出版するのは結構ハードルが高いです。やはり自分の得意な事を本にするのが一番です。


2. 電子書籍の値段

Kindleの場合は基本的に有料配信です。99円〜配信できますが、印税率は35%になります。印税率70%にするには250円(相場で変わります)が最低価格となります。
本の値段を決めるときは「自分の考える最低価格」が良いと思います。もちろん99円もしくは250円という最低価格の方が売れやすいですが、必ず売れるわけではありません。似たようなジャンルの個人出版の本(内容・ページ数など)を参考に決めると良いと思います。


3. 宣伝広告

より多く配信したいのであれば、一番重要なファクターです。ホームページ・ブログ・SNSなど可能な限り利用しましょう。友人知人などにもお願いしましょう。SNSはメールアドレスを複数取得すればその分アカウントを取得できます。知らない人でもたくさんフォロー&フォロワーになることをおススメします。


4. 外国語への翻訳

ちょっとハードルが高くなりますが、翻訳ソフトや有料の翻訳サービスなどを利用して海外でも販売してみましょう。もちろん英語が堪能な方は自分で翻訳しましょう。Kindleに登録すると本を配信する国を選択できます。日本語のままでも配信できますが、英語翻訳したものも配信できます。英語翻訳だと読者となる対象人数が大幅に増えますので、オススメです。


5. 自分で1冊は購入する

赤字にはなりますが、そう簡単に売れるものではないので、自分で1冊購入します。1冊でも売れると順位が付きます。順位が付くとわずかですが人の目につきやすくなりますので、有利になります。


これだけやっても「月に1冊程度の配信」だと考えていたほうが気が楽です。相当頑張って宣伝しない限り配信数は伸びません。読者との需要と供給の関係がうまくいけばもう少し配信数は伸びますが、とにかくあまり大きな期待をしない事です。

決して大儲けできるような簡単な商売ではありません。

Kindleでの個人出版を「儲かるサイドビジネス」のように言っているサイトもありますが、現状ではほぼ有り得ません。「個人出版=ビジネスチャンス」ではないのです。

●99円で配信して1000冊売れた場合

99×1000×0.35=34650円


●250円で配信して1000冊売れた場合

250×1000×0.7=175000円

日本では個人出版で1000冊売れればベストセラーですが、個人出版で1000冊配信できる人は少数派です。

Kindleなどの電子書籍ストアでは半永久的に無料で本を置いて配信してくれますので、長期戦で臨みましょう!

それととにかく出版数を増やしてください。例えば10冊出版しているとしたら、そのうちの1冊を無料配信(Kindleの場合は期間限定)するなど、自分の著書を知ってもらう努力をします。ホームページやブログなどで自分を知ってもらうことは重要です。結局「この人の本を読みたい」と思ってくれる人を増やすしか方法はありません。

まずは儲けを考えずに個人出版する意義を考えましょう!

 

もちろん「どこかの大手出版社の目に留まり印刷書籍として契約→ベストセラー!」などの可能性を否定はしませんが・・・現状では限りなく不可能に近いです。