電子書籍どうでしょう

イマイチ盛り上がりがない日本の電子書籍業界に言いたい放題やってます。

「仕事依頼→待機期間→仕事受注」という話

ここ数年「電子書籍に関するお問い合わせ」が結構ありまして、すぐに仕事になることもありますが、ならないこともよくあります。まだ原稿作成中もしくは修正中など、「実際の制作依頼は●月頃です」というように先の話になることが多いです。

現在最長の案件では、昨年11月の問い合わせで「2014年7〜8月頃に電子書籍の制作を依頼したい(1冊)」という内容でした。

そんな先の話をされてもと思いましたが、正式なお見積もりは勘弁してもらって「ざっくりした制作料金」だけをとりあえず提示。実際に制作を依頼される時に正式なお見積もりをさせていただくことにしました。先方も正確な予算を決めたいだろうけど、消費税も上がるし、もしかすると制作料金を変更するかもしれないので、ちょっと困ってしまいました。

※通常の見積もりって3ヶ月間とか有効期限があるのが普通です。


全くの別件で電子書籍事業への参入を考えているいくつかの大手企業からもご相談いただいてます。

そのうちの一つは今年5月(GW明け)から本格始動することになっているのですが、先方がやらなくてはならないことが山盛り状態で現実にウチで電子書籍を制作するのはもう少し先になると思います。
いつから制作がスタートするかわかりませんが、始まれば数が見込めますので「いくらでも待ちます!」というスタンスがとれます。もちろん「話が消滅するかもしれないというリスク」がありますから、それだけを当てにして先行投資をすることもなければ、仕事量を調整することもありません(自分のところでやりきれない時は外注さんにお願いします)。

そこで10年以上前の話を思い出しました。

AさんというフリーランスRPGゲームのストーリー(脚本?絵コンテ?)を書く方がいました。
時には声優さんを手配したり、演出や監督みたいなこともやられているという話でした。有名漫画やアニメのゲームなども手がけたこともあったようです。

当時Aさんは取引先のゲーム制作会社1社だけから仕事を受注されていたそうです。そのゲーム制作会社はオリジナルもやっていたそうですが、他の企業から下請けでゲームを制作することがメインという感じだったそうです。

私はゲームをやらないし、ゲーム業界にも出入りしたことがないので詳細は知りませんが、大作と呼ばれるようなRPGゲームはいくつかにパート分けをしてさまざまな制作会社が共同で制作するそうです。ストーリーの大筋は大体決まっていて、そこから脚本を作るのがAさんの仕事のようです。

ゲーム制作の依頼があってから3ヶ月ぐらいは打ち合わせや企画会議などがあるため、脚本制作を始められないとのことでした。よって「その3ヶ月間は無収入になってしまう」という愚痴をAさんは言っていました。3ヶ月後からは制作に入るのですが、更に脚本制作期間(修正も含む)が2〜3ヶ月かかるそうで、結局入金があるのは半年以上先になることも愚痴っていました。

私の知っている範囲のビジネスでは長期間に渡る制作を受注した時は納品後に制作料金全額を請求するのではなく、手付金など制作開始前の契約時や制作途中で半分ぐらい頂くことができると思っていたのですが、Aさんのところでは違ったようです。

打ち合わせと言っても別に3ヶ月間毎日やっている訳ではなく、月に1〜2回ぐらいなんだそうです。それ以外の日は暇なのでゲームしたり、酒飲んでゴロゴロしているそうです。
そこで私から「出版社を紹介しますから、副業でライターをやってみませんか?」と申し出てみました。
最初は喜んで引き受けてくれて、はりきっていたのですが「仕事のやり方が気に入らない」との理由で2〜3回やっただけで辞めてしまいました。編集さんからはAさんの文章は好評で、続けてほしかったそうですが・・・いろんな意味で残念です。

ライターを辞めてから1度だけお会いしたのですが、

「今制作中のゲームは6ヶ月も待たされている」

絶句です・・・。「売れない芸人」じゃないんだから、それって仕事として破綻しているんじゃないでしょうか。

もちろん脚本1本でウン千万円のギャランティになるとかだったら、そういう仕事もアリだと思いますが、通常は50〜100万円ぐらいが相場のようです。有名漫画やアニメのゲームをやっていた頃の蓄えがいくらかあったそうですが、風の便りでは飲食店でバイトしてるとか聞きました。飲食店でバイトするなら出版社でライターやったほうが良いと思うんだけどなぁ。

私から見れば実績も十分あるようだし、ゲーム制作会社なんて他にもたくさんあるんだから、もっと上手く仕事を受注して行くことができるんじゃないかなぁ。Aさんだったら2〜3社ぐらい掛け持ちしてもやっていけそうだし・・・。いや2〜3社掛け持ちするのは普通でしょ!1つの会社だけに依存しているとそこが倒産などしちゃったら、芋づる式にアウトになってしまいます。

そのゲーム制作会社ってゆーのも今だと「ブラック企業」と呼ばれる存在なんでしょうね。

Aさんとはそれっきりで、後になって知人に「Aさんゲーム業界辞めたらしい。なんか病気して借金抱えちゃって田舎に帰ったとか」という話を聞きました。
ちょっと寂しい話ではありますが、仕事のやり方って人それぞれ個人差があって難しいなと感じました。

 

今頃Kindle作家になってたりして!