電子書籍どうでしょう

イマイチ盛り上がりがない日本の電子書籍業界や出版業界に言いたい放題やってます。

電子書籍(コミックス)の規模って現状より低いぐらいが妥当なんじゃない?

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紙+電子で2.8%減の4,330億円、紙は初の二桁減、電子は17.2%増

まぁ要するに「漫画単行本や漫画雑誌は年々売上が落ちている」ということです。
個人的にはもうちょっと下がったアタリが妥当だと考えています。


金額的には紙と電子で2017年(4300億円)の半分ぐらい・・・つまり2000億円/年ぐらいですね!


たぶん2018年は4000億円を下回るんじゃないかな〜?


国内では少子化の影響をもろに受けるのが出版業界です。なんだかんだ言っても子どもがたくさん漫画を読んでくれないとコミックスコミック誌は厳しいですよ。


だからこそ海外進出(輸出)をもっと積極的にやらなきゃダメなのです!


もちろん海外進出している出版社はたくさんあります。翻訳するはもちろん、キャラクターや服装なども進出先の国に合わせたり頑張っています。ただ障害となることが多々あるので、政府主導でやってくれてもイイんじゃないかな〜と思います。


※漫画の海外進出についてはまたの機会にまとめたいと思います。

 

Amazonなどで出版社関係なく個人で漫画を販売されている方は、翻訳して海外でも売りましょうよ!

 

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注目なのはピークが1995年(平成7年)という部分で20年以上前の話です。


Wikipediaによると「阪神淡路大震災」という大災害と「地下鉄サリン事件」という大事件があった年です。。。


もうコレだけで出版業界だけでなく日本全体が不安に包まれたときなので、仕方ないかなと思います。

 

そしてもう一つ忘れられないのが「Windows 95の発売」です!


ただのパソコンOS発売に大行列ができて、パソコン持っていないまったく無関係の人も購入したという代物です(笑)。


この時代の日本ではインターネットはまだ普及していません。調べたところ企業普及率で11.7%、世帯普及率に関しては不明となっています。ちなみに私は電話代(アナログモデムで3分10円〜)を気にしながらインターネットやメールをしていました(笑)。

 

時代的に携帯電話もありましたが、ちょうど普及し始めたぐらいの頃で、国内携帯・PHS加入数が1171万人(普及率9.4%)というレベルで、まだ個人の携帯電話が珍しい時代でしたね〜。

 

え〜っと・・・何が言いたいかというとちょうど1995年ぐらいからいろいろと個人でお金がかかるようになってきてるんですよ。


20年前ぐらいを境に月々の出費や必需品などが変わってきたんじゃないかと考えていて、それらにかかる費用を捻出するためには『お金の使い道の変化』があるんだと思います。

 

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1990年代から現在まで個人の年収は横ばいもしくは下がっているのに出て行くお金が増えているんですよ(2017年の平均年収は420万円)!


それをちょっと解説したいと思います。

 

2018年の現在で一般的な家庭には20年前になかった必需品が登場しました。

 

●まず家庭でのパソコン購入。
1995年ぐらいだとまだ「家庭のパソコン」は一般的に普及していませんが、1998年のWindows98発売アタリから普及して行きます。
私は自宅用としてMacintoshのLC575で遊んでいました。
会社で初めてさわったパソコンがMacintosh LCだったのですが1990年あたりからDTPを始めました。その後「時代は手作業ではなくパソコンでDTPだ!」という感じになり、Quadra 850やスキャナーなどを導入しました。

 

●次に携帯電話の購入。
携帯電話は2000年で国内普及率が50%を越えて現在に至ります。今では中高生も「1人1台」という感じになってますよね。
パソコンと違って月々基本料金がありますので、年間数万円の料金がかかります。もちろん当時は『固定電話』も必需品でしたから、これも年間数万円〜かかります。スマートフォン本体の価格も高額なiPhoneが大人気です。

 

●そしてインターネットの普及です。
2000年あたりで国内利用者数が5000万人となり、普及率は95.8%です。この頃にアナログモデムからADSLに移行し始め一気に普及します。アナログやISDNよりも超高速なADSLは「使い放題」ということもあり、インターネットが気軽に使えるようになりました。


20年以上前の「毎月の出費の定番」と言えば「電気・ガス・水道・電話(固定)・NHK・保険料・新聞」あたりがメジャーだったのですが、「携帯電話料金」と「インターネット接続料金」がかかるようになりました。そのぶん現在では固定電話を持たない家庭が増えていますが、「携帯電話は1人1台」だと「一家に固定電話1台」よりも出費は多くかかります。テレビ番組などもテレビで確認できますし、最新のニュースはネットのほうが早いですから新聞(紙印刷)も購読しない人が増加中です。

 

家電の必需品では「テレビ・エアコン・冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機・ラジカセ・固定電話機・掃除機」ぐらいで1度購入すればだいたい10年以上は使うモノばかりです。


しかしパソコンは4〜5年ぐらい、スマートフォンに関しては2〜3年ぐらいで買い替えることが多いです。

 

20年前と現代では収入が変わっていないのに出費が増加しているということは、何かしら他に使っていたお金が新しい必需品(パソコン・携帯電話・インターネット)に回っていることになります。

 

例えば良く言われているのが「若者の車離れ」「活字離れ」「音楽離れ」「テレビ離れ」です。

 

●若者の車離れ
20年前と違って軽自動車でさえ新車は100万円以上しますし、維持費も値上がりました。でも車さえ所持しなければ結構豊かな暮らしができます。
首都圏だと駐車場料金も高額なので、仕事で必要な場合を除くとそう簡単には所持することは難しいでしょう。
維持費がほとんどかからない自転車のほうがよっぽど便利です。

 

●活字離れ(新聞・印刷書籍・電子書籍など有料の活字)
自宅だけではなく外出時でも気軽にネット接続できる現代では、『有料の活字』からどんどん離れて行きます。活字自体に触れる機会は多くなっていると思いますが、お金を出してまで読むとなると話は別です。

 

●音楽離れ
音楽業界全体が低迷しています。CDはもちろんネット配信も売上は低空飛行の状態が続いています。この原因はさまざまあると思いますが、私が注目しているのは「カラオケ離れ」です。20年前はカラオケが大ブームで、暇さえあればみんなでカラオケというのが普通でした。現在でもカラオケ店はありますが、当時の10分の1以下でしょう・・・。

※「テレビ離れ」に関してはまた別の機会に・・・。

 

20年前と現在を比較してみます。

 

●月々の出費がなくなった分
新聞
固定電話

 

●月々の出費が増えた分
携帯電話
インターネット

 

●減った必需品
携帯小型レコーダー(カセット・MDなど)
固定電話機

 

●増えた必需品
携帯電話
パソコン(周辺機器やタブレットなども含む)

 

新聞購読料金(4000円〜)と固定電話(通話料を含めて2000円〜)で、だいたい月々6000円ぐらいの負担減となります。
しかし大手キャリア契約の携帯電話1台だけで月にそのぐらいかかっています。

 

あとはすべて負担増になっているのが現状なんです。

 

趣味性の強い本や音楽にお金を使わなくなるのは必然です。

 

平均年収が20年前と変わっていないもしくは下がっているのですから、「何かを手に入れるためには何かを犠牲にしなくてはならない」のです(どこかで聞いたことのあるようなセリフですね:笑)!

 

↓こんな意見もあるようですが・・・

 

コミックスの売り上げ、電子版が紙を上回る 2017年

ただ、違法の海賊版サイトの影響が少なからずあり、伸び悩んでいる。

 

音楽などでも言われていたことですが、個人的にはほとんど関係ないと思っています。

 

巷でよく言われているのが「海賊版・違法サイトで漫画を読んで満足する人は元々購入意志がない」ですよね!


従来本って所有欲に訴えかけるモノなんです。


有名小説などは最初は高価なハードカバーで販売し、数年後に文庫化されるんです。
人によっては「ハードカバーは高いから文庫化されたら購入して読もう」という人もいるぐらいです。


趣味性が強いため「今すぐ読みたい」という人だけが価格に関係なく購入するモノなんです。

 

本は図書館・漫画喫茶などでも読むことができます。知人友人から借りて読むことだってできます。
大昔から「本は購入しなくても読むことができる」という代物なんです。

 

20年前の音楽はCDを購入というよりレンタルするのが一般的でした。
そんなレンタル店も右肩下がりで減少しています。
100円でCDを借りてきてコピーできたのに、もう借りてまで聴こうとする人が少なくなってきているんです。


レンタルで聴く人が減っているのに購入する人なんかもっと減るのは必然です。
それこそ『握手券付き』じゃなければCDは売れませんよ(笑)!

 

漫画も音楽も「本当に欲しい作品」だったらみんな購入しています。

 

ただ収入が上がっていないのに出費が増えている現状では誰も無駄遣いはしません。
パソコン・スマートフォン・インターネットなどは必需品となっている現代では、その他の趣味性の高いモノを削るのは当然の結果なんです。


現在の平均年収420万円が倍ぐらい(700〜800万円ぐらい)になっていれば、もうちょっと違う結果になっていたかもしれません。