電子書籍どうでしょう

イマイチ盛り上がりがない日本の電子書籍業界や出版業界に言いたい放題やってます。

最近の悩み:紙書籍の電子化について02

悩みというより『ただの愚痴』です(笑)。

 

出版社などの電子書籍を担当されている方って、どれだけ電子書籍のこと理解されていますか?

 

私の思う『電子書籍の担当者』のお仕事とは

1. 文字原稿(InDesignやWordなど)・画像原稿・その他入稿用PDFなど電子書籍を制作するのに必要な原稿の用意と確認。

2. 電子書籍制作に最低限必要な指定や指示。

3. 電子書籍ePUBの仕上がり確認(校正)。

4. 必要なデータを用意して電子書籍を各ストアに配信する(専門業者への委託を含む)。


さまざまな原稿が必要となりますが、基本的には印刷データと同じです。
昨日今日入ったばかりの新人さんでない限り、印刷するのに必要なデータは理解されていると思います。
まずInDesignデータで文字原稿をいただくことが多いのですが、『印刷データ』のまま送ってくるケースが100%です。予め電子書籍用に修正された文字原稿をお預かりすることは過去に例がないです。

 

あくまでも↓は一例です。

 

例えば文章中に「135ページの図を参照」などの『他ページ』への誘導をさせる一文が入っていることがあります。電子書籍の場合はページ数という概念がないので、図のある場所が「135ページ」とはなりません。そこでリンクをつけることになるのですが、「135ページの図を参照」→「図を参照」というように修正する必要があります。
本来なら文字をePUB用に修正したInDesignデータと「●●ページの図を参照は入稿用PDF135ページの図にリンクしてください(戻るリンクは不要)」などという指定があってしかるべきです。1冊の書籍に1〜2箇所ぐらいなら『校正後の直し』で対応しても良いとは思うけど、100箇所ぐらいあるときは最初から文字原稿を修正しておいてほしいです。

しかし実はあえて「電子書籍用に文字原稿を修正してください」というお願いをしていません。なぜかと言いますと担当者から「まず丸投げしますので、それで電子書籍にしてください」と言われているからです。つまり電子書籍になった状態で確認や校正をする」、もしくは「電子書籍になった状態じゃなきゃ確認や校正ができない」と思い込まれてしまっているからです。

 

当初仕事を請け負う前に「えっ?なんで??」とは思いましたが、ビジネスですし先方も素人ではないだろうと判断して、受注を始めたのですが、今となってはちょっと後悔しています。

特に「電子書籍になった状態じゃなきゃ確認や校正ができない」というところを甘く見ていました。

出版社を代表する電子書籍の担当者なのに、その程度のことも予測できないということは、印刷の紙書籍だったら「製本して1冊の書籍が出来上がった状態じゃないと確認や校正ができない」ということと同じですから!

 

ePUBを制作する側から言わせてもらうと

「先に原稿修正(正しい文字原稿のこと)しておけば校正が楽でしょ」

と思うのですよ。

 

100箇所の原稿修正とリンク指示の場合は先にやっても後にやっても同じ時間がかかります。だったら最初からやっておけば、リンクの確認なども最初の校正で確認できますので、結局は時短になります。

ウチの場合は本文中に「135ページの図を参照」という一文があっても、リンクは貼りません。なぜなら担当者から指示がないからです。基本的に印刷のDTPなども同じですが『制作側は文字や文章を読まない』というのが古くから伝わるルールです。先方から指示や指定がない限り文字原稿通りに作ります。もちろん誤字脱字などがあったとしてもそのまま気にすることなく制作します(ただし最終校正で直しの指示がなかった場合は問い合わせます)。

「え、そんな意地悪しないでリンクぐらいすればイイじゃん、結局あとでリンクすることになるんでしょ?」

一理あるとは思いますが、先方の指示がない限りやりません。

理由としてはそのページに図を追加することで「135ページの図を参照」自体が不要になるかもしれません(場合によってはリンクさせるより追加しちゃった方が良いと考えています)。一方通行のリンクなのか戻るリンクなども必要なのか、さらにどのような戻るリンクにするのかなど、コチラでは不明ですし勝手に決めつけることはできません。

 

「だったらキチンと相談とか話合いとかして改善すればいいのでは?」

 

ソコなんですよ、問題なのは!
本来ならそうしたいところなんですが、ウチで電子書籍を制作する以前から他社とも制作しています。

 

 

 


そして担当者は「丸投げして電子書籍を作ってから校正して直していく」というスタイルがこの世の常識だと思っているのです。さらに困ったことに感情的になりやすい方のようなので、取扱い注意の担当者様なんですよ。


そのような方とメールだけでは、どうしても説明が足りなかったりします。最悪仕事自体が消滅してしまう可能性すらあります。

直接お会いできれば良いのですが、ウチからその出版社へ出向くとなると新幹線もしくは飛行機を使わなくてはなりません。交通費を負担してくれるのであれば明日にでも伺いたいぐらいですが、それをお願いしようなんて考えたこともありません。

SkypeとかLINEなどを使ってくれるほど器用な相手ではないので、本当に難しいです。

 

だから・・・『ただの愚痴』なんですよ(笑)!

 

つづく・・・かも?