電子書籍どうでしょう

イマイチ盛り上がりがない日本の電子書籍業界や出版業界に言いたい放題やってます。

「ページ物はInDesign、チラシなどはIllustratorで制作すると良い」という格言があります

まずはじめに、アプリの使い勝手は人それぞれということで、あくまでも私にとって「InDesignって使いにくいよねなぁ」というだけのお話です。

 

印刷物のグラフィックデザイナーやDTPオペレーターなどのスキル絶対条件といっても過言ではないInDesignなのですが、皆さんなぜこのアプリで細かいデザインレイアウトをやるんだろう。

 

昔から言われている格言があります(笑)

 

「ページ物はInDesign、チラシなどはIllustratorで制作すると良い」

 

この「ページ物」というのはゴチャゴチャしたレイアウトの雑誌などのことではなく、小説などに代表されるような文字数の多い書籍などのことで、「文字の流し込み」をする必要がある制作物を「ページ物」と言います。

 

逆に「チラシなど」というのは「文字の流し込み」がほとんどなく、スーパーのチラシのように写真や文字がゴチャゴチャしているような制作物になります。

 

先日助っ人に行った時の制作物は「通販カタログ」だったのですが、ウエア・シューズなどの衣料品からアクセサリー小物などの細かい商品が多く、見た目は「ページ物」なのですが中身は「チラシなど」に該当します。

 

私は「Illustratorで見開きもしくは単ページで制作して、そのままでも良いしPDFなどにして各ページを最終的にInDesignに貼り込んでからノンブルやインデックスなど全ページに入る部品を追加する」というやり方がベストだと思っています。

 

InDesignで制作する時間の約半分ぐらい、ちょっと時間がかかっても3分の2ぐらいの時間で完成します!

 

商品の移動や写真の変更などの修正にかかる時間も同じく半分ぐらいの時間で済みます。

 

DTPオペさん「InDesignで制作して文字・段落スタイルなどをキチンと組んでおけば、後々の変更作業などが発生した場合一発で変換できるから便利で早いじゃん!」

 

はい、基本的にはその通りです。

 

しかし「一発変換できる」という部分は若干言い過ぎだと思います。

 

例えば商品名のフォントをゴシック体から明朝体に変更する作業が発生したとします。

 

この場合は文字スタイルに登録してある「商品名」を明朝体に変更すればそのInDesignファイルで指定されている全ての商品名が変更されることになりますが、現実的な問題として通販カタログが数百ページある場合はInDesignファイルを分割して制作しているケースがほとんどだと思いますので、そのファイルの数だけ設定を変更する必要があります。

 

Illustratorだと見開き制作の場合で総ページ数の半分のファイルを開いて修正しなくてはなりませんので、相当面倒ではありますが・・・とにかく頑張るしかありません!

 

確かに各スタイルを一発変更できるのは魅力なのですが、それを無視してでもIllustratorで制作した方が良い理由があります。

 

過去にも様々なカタログ・パンフレットなどをデザイン制作してきましたが、「フォント変更は滅多にない」と言い切りたいです。

 

なぜ滅多にないのかと言いますと、カタログを制作する前にラフやカンプなどを作ってクライアントと綿密に打ち合わせをしてOKを頂いてから制作を開始するからです。予めデザインレイアウトや文字なども決めておきますので、デザイン制作が完了した後の修正で「フォントを変えてくれ!」というケースは稀なんです。

 

私が思うに「交通事故レベル」です。

 

そりゃ扉ページなどのタイトル文字やキャッチコピーぐらいのフォント変更はありますよ!しかし基本骨格となるような部分の変更はホント滅多にないです。


もし「カタログで商品名のフォント変更なんて毎回必ずある」という方がおりましたら、ぜひご連絡ください。

 

カタログが200ページだとして100ファイル修正するとなると1人でやっても2時間以内で完了するレベルです(InDesignでPDFなどを再読み込みするまでの時間)。

 

先日助っ人で修正したカタログですが、私と制作されたデザイナーさんと二人で修正しました。

 

カタログ150ページぐらいだったかと思いますが、商品の移動やそれに伴うレイアウト変更などで3日間(2日間は9時から22時まで作業しました)+徹夜で翌日のお昼までかかりました。

 

私のInDesignを扱うスピードは制作されたデザイナーさんとほとんど同じぐらいでしたので、私が「遅い・下手くそ」というワケじゃないと思います。

 

断言しちゃいますが、Illustratorで制作していれば2日間で終わっていました!

 

※本来でしたらこの場で「なぜInDesignだと作業スピードが遅くなるのか」「なぜIllustratorだと作業スピードが早くなるのか」ということを例と一緒に説明すべきなんでしょうけど、ちょっと面倒なので省略いたします。

 

昔から言われている格言の通り「ページ物はInDesign、チラシなどはIllustratorで制作すると良い」ということなんですよ。

 

この格言を若い方でもDTPに携わる方なら1度は耳にしたことがあると思いますが、迷信とかじゃないんですよ〜(笑)!

 

単純に世間やクライアントが知らないだけなんじゃないか、疑問に思う人が極端に少ないんじゃないか・・・と考えています。

 

なんとな〜くInDesignだけでいろいろできちゃったり、過去の制作物もInDesignで制作していたからなどの理由だけで「InDesignで制作してください」ということになっちゃっているんだと思うのです。

 

誰かお願いしたいです。制作物に適したアプリを使うべきだって進言してもらえないでしょうか(切実)?

 

それでも世の中の常識としては「InDesignで制作するのが当たり前」になっているんだろうなぁ・・・。

 

まぁあまり言い過ぎちゃうと仕事なくなっちゃいますけどね(笑)!

 

結局ページ物を印刷する際に刷版を作るために面付けをするのですが、だいたい単ページでPDF出力して面付けしてるんじゃないかな?だからデータに問題さえなければ制作アプリなんてなんでも良いんですよね!

 


あっ、「アプリはなんでも良い」で思い出した!

 

ずいぶん前の話ですが、某通販カタログを前回流用で制作するというお仕事をいただいた時にビックリしたことがあります。

 

なんと1ページごとに画像(Photoshop)で制作されていたのですよ!

 

とにかく画像容量が重くて、当時使用していたG4ではホント大変でした(涙)。


レイヤーなどものすごい数になっていて、レイヤー名も変更しておらず「レイヤ−100」とかのままでした・・・。

 

まぁほとんど流用で一部追加があるぐらいだったので、なんとかなりましたけど、あれが新規制作だったらなんとかクライアントを説得するか依頼を断るしかないと思いました。

 

フォトショップでカタログ全ページ制作って聞いたことも見たこともなかったのですが、どうやらクライアントの社内で制作したものだったようです。アプリがPhotoshopしかなかったので、結果的にこうなってしまったとか!

 

ある意味すごいなぁ〜と感心した記憶があります(笑)!

 

あとWordで作って印刷・製本までしているところもありました。もちろんフルカラー印刷ですが、WordってRGBしか使えなかったような気がします。

 

RGBで作ったあと、どこかでCMYKに変換するのかな(笑)?