電子書籍どうでしょう

イマイチ盛り上がりがない日本の電子書籍業界や出版業界に言いたい放題やってます。

某大手電子書籍ストアに乗り込んできました!

電子書籍をそこそこ利用されている方なら誰でも知っている某大手電子書籍ストアに先日行ってきました。行ってきたと言っても従業員がたくさんいる普通のオフィスなので、応接ルームでストアの立ち上げから携わっている役員のAさんとお話しただけッスけど(知人の紹介です)。

Aさんと話をしていて一番意外だと思ったのが、横の繋がりが結構あって電子書籍業界の裏事情を良くご存知だったこと。特に他社の状況について色々聞けたのはラッキーだった。昨年オープンした某外資電子書籍ストアKは日本での売上げがあまりにも低すぎるので(売上げの桁がオープン前予測より1つか2つ少ないとか)日本の担当責任者を叱責したとか!同じく昨年オープンした某外資電子書籍ストアGは他店より出遅れ感がハンパじゃなくて、あまりにも認知度が低いので撤退しようと考えているとか・・・(こ、これ以上は書けません)。

ほとんどの国内電子書籍ストアも時間とお金をかけてスタートしたものの、予想をはるかに下回る会員数しか集まらないので、売上げを度外視してまでキャンペーンを打ち続けているとのこと。まず電子書籍が売れるとか売れないとか以前の問題で、登録会員があまりにも少なすぎるらしい。この状態が長く続くと撤退する国内電子書籍ストアが出てくるかも〜?

個人的にはある程度ストアが立ち上がれば、それほど維持費がかからないと思っていたけど、現実には人件費が相当かかるようだ(外注費も含む)。常に在庫を増やすために多くの出版社と関わる必要があるので、担当営業や事務関連の方が多くいるそうだ。もちろんWEB制作やサーバー管理などそれなりの人数が必要なので、とてもじゃないが現状の電子書籍の売上だけでは大赤字でやっていけないとか。

ある程度有名な国内電子書籍ストアは何かしら大企業の子会社だったりするから、親会社が「もう無理、やめる」と言わない限り続けるけど、いつ言われちゃうかわからないのね。がんばってね。

その他の話ではそのストアでしか購入できない「有料オリジナル電子書籍がいくつかあるそうだ。マンガ・小説など1冊あたり50万円ぐらいかけて数冊作ったそうだが、全く元が取れず最下層で眠っているとのこと。オリジナル電子書籍に関しては初耳だったので実際にスマートフォンで見せていただいたけど、作者や著者など聞いたことがないし(失礼、たぶん私が知らないだけです)、パラパラとページをめくってみたけど・・・無料だったらダウンロードしてもイイかな〜というレベル。個人的にはいくらお金を積んでも絶対に書いてはくれないと思うけど鳥山明」や「村上春樹」レベルの方でなければ「有料オリジナル電子書籍」は無駄だと思う。だいたい本を作るのは出版社や編集者の役目なんだから、ストアがやっても上手く行くはずがない!もしこれらを無料配信したとしても「客寄せパンダ」としては弱いよなぁ。

もっと良いアイディアなんていくらでもあると思う。基本的な考え方が「印刷書籍=電子書籍」だからダメなんだよな〜と思う今日この頃。まわりを良く見渡せば優良コンテンツがゴロゴロ転がっているのにね・・・という話をさせていただいのだが、本来「有料オリジナル電子書籍は2年で元を取らなければならなかったのに、全くペイできていないので、他に回すお金が無い」とAさんはおっしゃる。

結局のところ電子書籍業界全体のシェアの低さに問題があるみたいな話になってしまった...。それって消費者(読書離れしているという日本国民)のせいにしていると理解してもよろしいのでしょうか?安売りキャンペーンやポイントアップぐらいしか客集めの方法を思いつかない方々の間違った言い訳にしか聞こえませんよ。。。

あのね、アメリカと同じスタイルでやるのは無理があるんですよ。本に対する文化が違うし、(印刷書籍の)書店の数も違うし、国の面積も違う。日本で流行らせるには「日本流のやり方」があるんですよ・・・と思ったけど言わなかった。この電子書籍ストアのAさんには届かない・・・というより国内電子書籍ストアのどこへ行っても無理だと思ったので、「日本流のやり方」を伝える必要ないと思った。

今度はなんとかして10周年を迎えた森ビルに入っている会社にでも乗り込んでみよう(たぶん無理:笑)!ガンバル!!