電子書籍どうでしょう

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本の著作権をもっと大事にしよう!音楽はあらゆる所から著作権使用料金を取ってますよ

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音楽って著作権使用料金に執拗なぐらいウルサくなっているじゃないですか。

ちょっと前の話では音楽教室などで演奏するときでも著作権使用料が発生するという問題などもありました。

 

買ったCDもアウトなの!?BGMで著作権料を払いたくない店舗経営者のための裏技

基本的に音楽と本は違うということは理解しているつもりです。

一番の違いは音楽は再生装置とスピーカーがあれば同時に大勢の人に聴くことができます。
本の場合は1冊を同時に読むことが可能な人数はせいぜい2〜3人ぐらいが限度です(電子書籍は除きます)。

 

購入したCDや、MP3などの音源を店鋪BGMとして使用したい場合、JASRACに申請し、著作権使用料を支払うことで使用が許可されます。


単純に個人がやっている喫茶店や雑貨店レベルの店でも購入した音楽CDなどを『店舗BGM』として使用する場合は、JASRACに申請して著作権使用料を支払わなければなりません。

 

本の場合は購入したら不思議なことに結構自由です。

 

例えば歯医者や美容室の待合室に雑誌・週刊誌・新聞・コミックスなどが置いてあり、誰でも自由に読むことができます。もちろん歯医者や美容室は本の購入代金以外一切支払っていません。

 

コンビニや書店などで普通に立ち読みすることが可能です。

立ち読みでも内容確認レベルならまだ良いのですが、まるで図書館で読んでいるかのようにすべて読み切っている人もいますよね!

 

音楽と本の性質は違うということは置いといて・・・なんで音楽は著作権料がもらえるのに本は一銭ももらえないのでしょうか?

 

本にもJASRACのような存在と著作権を守るシステムや法律が必要なんじゃないでしょうか?

 

「本を有料で貸出提供する事業(本のレンタル業)」の場合は、『一般社団法人 出版物貸与管理センター(http://www.taiyoken.jp/rental.html)』が仕切っていますが、法律で守られている(?)図書館は関係ありません。

 

個人的には歯医者や美容室レベルの『本を無料で自由に読ませている』ところでも著作権使用料をいただくべきなんじゃないかと考えています。

 

なぜかと言いますと、『無料なら本を自由に読むことが可能(立ち読みを含む)』というワケのわからん理論が『WEB上の海賊版サイト』を生み出しているんじゃないかと思うのですよ!

 

漫画村」や「漫画タウン」などプロバイダー各社の協力により見れないようになっていますが、「海賊版サイト運営者は罰金●●円、懲役●●年」などというような刑事罰・法律が無い現状では『JASRAC方式』が正しいと思えちゃうんですよね〜。

 

出版業界の皆さん、本の著作権を守るため(出版社や作家を守るため)片っ端から著作権使用料を搾取しましょうよ!

 

というワケで法律で守られている図書館も例外ではないと考えられます。

 

先日のエントリー記事で「図書館への販売を出版社や作家が選択できるようにする」というようなことを提案してみました。

 

「卵が先か、ニワトリが先か・・・」

 

いやいや、「本があってこその図書館」でしょ!

 

だから出版社や作家などの利益や収入を図書館側(国や自治体)がもっと考えてあげてもイイんじゃないでしょうか。

 

図書館側の言い分としては「“読書離れ”や“活字離れ”にならないように本と気軽に触れ合うことができる図書館の存在は出版業界にとっても重要なはず」とか「図書館が出版社や作家の宣伝をしている」などいろいろあるようですが、このような考え方って時代によって変化して行かなければならないのは必然です。

 

やっぱり時代にあった図書館と出版社の『B to B』を考えて行くべきです。

 

今回の提案は出版社から図書館へのレンタルサービスです。

 

どのようなレンタルサービスかと言いますと、『電子書籍読み放題サービス』のパターンを応用したサービスです!

 

近年『電子書籍読み放題サービス』が広まりを見せています。

 

基本的にこの『電子書籍読み放題サービス』に本を提供している出版社への報酬は「ユーザーに読んでもらったページ数で決まる」ということになっています。

 

例えばAmazon Kindleの読み放題サービスでは、1ページあたり約0.1円の報酬となっています。

漫画コミックスなど1冊あたり200ページぐらいだとすると20円の売上になります(全部読んでくれたとしてですけど)。

 

●出版社のメリットとデメリット

まずメリットは1冊の本が著作権消滅するまで稼いでくれるということです。ざっくりですが著作権消滅は「著作者の死後50年」ということになっています。

 

それと電子書籍ではないので、「1ページごとの課金」というのが難しいと思いますので、「1冊単位での課金」ということになります。図書館利用者が読もうが読むまいが『本を借りた時点』で1冊分の報酬が確定します。

 

本を借りて図書館外に持ち出すのはもちろん、図書館内でも手に取ってページをめくった時点で報酬が発生するので、大きな収入源になります。

※図書館内での課金システムをどのようにするかは課題です(笑)。

 

デメリットとしては『レンタルサービス』という性質上、本を図書館への販売ではなく『無料提供(貸与)』という形になりますので、販売という利益がなくなります。

 

出版社によっては『図書館専用の本』というのが存在します。

 

日本全国の公共図書館都道府県区市町村など)は3,000を越えていますし、民間や学校などを含めると数万館あります。書店に流通させなくても図書館に販売することによって出版ビジネスが成立するというパターンもあります。高価な学術書だったり年度ごとのデータ本だったり比較的「あまり読まれない本」というケースが多いのですが、定価1万円を超えるような本だとレンタルサービスには不向きかと思います。

 

あとは細かいことですが「本が汚れたり破れてしまった」「利用者から返却されなかった」などさまざまな対応をして行かなくてはなりません。

 


●公立図書館のメリットとデメリット

最大のメリットは「本の購入費用が一切かからない」という点です。ただしこれは逆にデメリットにつながる要因でもあります。

 

公立図書館って自治体が運営していますから年間の予算というのが決まっています。毎年議会で決定していると思いますけど、例えばその予算が100万円だったします。1冊1,000円の本が1000冊購入できることになりますので、その予算に合わせて本を選ぶことができます。

 

しかし「本の購入費用が一切かからない」けれども、1冊貸し出すごとに課金されますので予算を予測するのが難しいと思います。

 

他のメリットとしては『出版社のデメリット』でもある「本が汚れたり破れてしまった」「利用者から返却されなかった」などの場合は出版社から補填されます。「利用者から返却されなかった」場合は出版社側がユーザーへの連絡をする必要があります。

 

あとなんといっても有名人気作家の新刊が入手しやすいということです。
以前だったら書店での販売が優先されていたところですが、出版社側のビジネスですから図書館も優先されます。提供される冊数は少ないでしょうけど地域住民へのサービスとしては喜ばれると思います。

 

デメリットは上記にも書きましたが、出版社側へ支払う課金です。

 


アイディアとしては全然不十分ですけど、公共図書館電子書籍が借りられる時代です。これからどんどん時代が変わって行くのは目に見えてますから音楽のように「著作権使用料を取れるところからはしっかり取る」ということをもっと考えるべきです。

※『公共図書館電子書籍が借りられる時代』については別の記事にしようと思います。

 

アナログな印刷本がなくなっても構わないと考えている人は少数派だと思いますので、出版社・作家・印刷本が生き残れるようなシステムや法律を考える時が来ているんじゃないでしょうか。