現状の電子書籍の限界ってこのアタリなんだろうか?
電子書籍に携わる者として、なかなか興味深い記事です。
まずdマガジンは、月額400円で200冊以上の雑誌が読み放題のサービスで、昨年の3月で契約者数が363万人というデータになっています。
携帯電話の契約がdocomoじゃなくても利用できますし、スマホやタブレットだけじゃなくパソコンの大画面でも読むことができるので、結構便利なサービスです。
1つのアカウントでスマホ・タブレットは5台まで、パソコンは1台まで利用できるのがミソです!
例えばお父さんだけがdマガジンに契約して自分のスマホ・タブレット・パソコンや家族で使えるタブレットを用意しておけば、家族全員が自分の好みの雑誌を読むことができます。
dマガジンはご契約者が個人利用できるサービスで、非商業的な利用に限らせて頂いております。また、dアカウントの共有もできませんのでご了承ください。
お店などで不特定多数に提供する商業的な利用については、法人向けプランの「dマガジン for Biz」をご確認ください。
法人利用や商業施設などの場合は、「dマガジン for Biz」を契約・利用しましょう!
例えば会社に福利厚生の一環で置いておくとか、美容室などでお客さんに使ってもらうと喜ばれると思います!
まぁざっくりですが、dマガジンってこんな感じです。
ご家庭で月に1〜2冊雑誌を購入しているなら安いモノです。
記事の内容ですが、注目すべき点がいくつかあります。
それまで出版社にとっての電子書籍は、『コミック以外はお金にならない』という認識のものでした。雑誌も電子の市場がなく、『電子版を作ったのはいいものの、どこでマネタイズすればいいのか?』という状況だったわけです。そんなときにdマガジンが登場したことで、年間で何千万円という利益をそこで出す雑誌も出てきた。20年ほどマイナス成長が続き、休刊も増えていた雑誌業界において、読み放題サービスはひとつの光明だったと思います
まずはコレ!
『コミック以外はお金にならない』と言われている電子書籍ですが、どこの配信サイトでも上位は漫画が独占しています。小説や実用書などの文章主体の書籍が上に来ることはほとんどありません。
基本的に雑誌って読み終わったり、次の号が出たりなどいずれ処分しますよね?
もしくは2ヵ月から1年間ぐらい保管したあとにまとめて処分する方もいると思います。
そこで『読み放題サービス』です!
月額400円という超破格な価格ですから雑誌によっては1冊で元が取れます。
もしこの月額が1,000円を越えていたら会員数も100万人に達していなかったかもしれませんね。
次にコレ!
それまでの読み放題サービスでは、雑誌や本の表紙を並べて表示するものが多かったかと思いますが、我々のサービスは開始当初から『雑誌に関係なく記事を横断的に読んでもらうこと』に力を入れてきました。時事的なネタや、季節的な話題に関する記事は、『おすすめ』の表示欄で特集としてまとめて表示しています。またプッシュ通知を利用し、その日に話題になった号外的なニュースの記事をお伝えすることで、そのような記事は多くのユーザーの方に読んでいただけています
このような機能は便利ですよね!
ニュースアプリで「読みたいニュースだけ読める」という感じです。
出版社側からすれば「多くの人が興味がある記事を掲載すれば、今まで雑誌を手に取ったことのないユーザーも見てくれる」というメリットがあります。
逆に言うならば雑誌は電子書籍やWEBなどに合わせた作り方が求められます。
出版社の収入はPV(ページビュー)の数によって決まりますので、雑誌全ページを少数の方に読んでもらうよりも特集記事を多くの方に読んでもらったほうがPVを稼げます。
ということは『dマガジン専用の雑誌』が増えることが予想されます!
「印刷・製本・取次・書店コンビニなどで販売」という行程をなくして、『PVの稼げる電子書籍(雑誌)』を追求する出版社が当然のように出てきます。
今はよく知りませんが、昔は雑誌を制作〜印刷などの経費をすべて広告でまかなっていて、雑誌が売れた取り分(取次や書店などの取り分は除く)が出版社の儲けとなっていました。
けっして簡単なことではありませんが、『dマガジン専用の雑誌』なら編集者だけでも作ることは可能です。
ページ数も稼ぐ必要はないですから、100ページ以下の雑誌というのもアリです!
そのうち『漫画雑誌読み放題』なんてサービスも出てきそうですね!
まぁ週刊少年ジャンプ様はやらないでしょうけど(笑)!
ただそれでも印刷本はそう簡単になくならないです。
●レコードがCDになって今では電子配信
●VHSビデオがDVDになって今では電子配信
●フィルムカメラがデジタルカメラになって今ではスマホ
このような「過去の遺物」となってしまった物がたくさんあります。
書籍よりも新聞(紙)のほうがなくなりそうな気がしています。
新聞は毎日朝夕の2回(朝だけの場合もあります)配達員が配っていますが、印刷・配送や新聞取扱店・配達員などをすべて廃止すればそのぶん価格を抑えることができます。
例えば読売新聞の場合は朝夕で1ヵ月4,037円(税込)です。
電子オンリーになれば半額の2,000円/月ぐらいになってもおかしくないです。
さらに・・・『電子新聞読み放題 月額400円』なんてサービスが登場したらいかがでしょうか?読売だろうが朝日だろうが毎日すべて読み放題です。
もしくはdマガジンにそのまま電子新聞が参入したら、PV稼げそうな気がするのは私だけでしょうか?なんせ毎日更新されますから、自分のところで月額配信するより楽ですよ!
色々書いてきましたが、たぶんこのアタリのやり方が日本の電子書籍の限界なんだと思います。
kindle unlimited(月額980円)楽天マガジン(月額380円)なども含みますが、「読み放題で、超格安」というキーワードが重要です。なんだかんだ言っても電子になって便利になって安くならないと普及しないです!
現状の日本ではそう簡単には『印刷本が電子書籍に取って代わった』というような状況にはなりません。
だって電子書籍って安くないんだも〜ん!
そこそこ人気のある新書だったら書店で新品印刷本を購入し、読み終わったあとヤフオクやメルカリなどで売却したほうが絶対お得です!
電子書籍は購入したらそのままなので、財産的な価値は一切ありません。
個人的には電子書籍って印刷本の半額ぐらいがちょうど良いと思います。
良いか悪いかは別として文字打ちなんかでもも「パソコンのキーボードよりスマホのフリップ入力のほうが得意!」という若い方が増加している時代です。
財布や家の鍵などもスマホでOKという時代なんです。
「やっぱり紙の印刷された書籍のほうがイイなぁ」
という方は今のうちだけで、あと20年もすると逆転する可能性があります。
まぁ20年後も日本は超高齢者社会でしょうから、大手出版社によほどの変化がないかぎり印刷本は生き残れると思います。
そろそろ出版社は『印刷本を出さずに、電子書籍だけで配信する書籍』というのを始める時期だと思います!!
※ちなみに私は電子書籍ではなく印刷本(特にマンガ)で購入するタイプの人間です(笑)!でも電子書籍が印刷本の半額になったら・・・電子書籍にします(爆)!